6.1. 生物学と社会 : マラソン走者と短距離走者
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種目の得意不得意には生物学的根拠があることがわかっている
遅筋の筋繊維は長時間にわたって多くの回数収縮できるが、急速に力を生み出すことはできない
速筋の筋繊維は遅筋の筋繊維に比べて、より素早く力強い収縮が可能だが、ずっと早く疲労する
ヒトの筋肉はすべて遅筋と速筋の両方を持っているが、特定の筋肉でそれぞれの筋繊維の比率は人によって異なる マラソン走者の大腿筋は遅筋の筋繊維を多く含むが、短距離走者は速筋の筋繊維を多く持つ
これらの違いは遺伝的に決定されているのだが、さまざまな運動能力と関係があることは疑いがない
したがって、マラソンのチャンピオンと短距離走のチャンピオンは、ある程度生まれつきで、訓練によるものではない
これら2つのタイプの筋繊維がこれほど違う働きをすることができるのはなぜだろうか
筋収縮のためのエネルギーを供給する分子であるATPをつくるために異なる過程を使っている 2つのタイプの筋繊維の細胞はグルコースを分解してATP合成のための化学的エネルギーを得ているが、遅筋の筋繊維は酸素(O2)を使って行い、速筋の筋繊維は無酸素でそれを行うことができる
筋肉にエネルギーを供給する一連の過程はまた,他の細胞によっても使われる
事実、身体のすべての細胞は、生きていくためにエネルギーを供給され続けなければならない